おすすめ教材「ミクロコスモス(バルトーク)」の解説、分析方法
今回は、バルトークの「ミクロコスモス」を取り上げます。
初心者や導入が進んだ子にもおすすめ。 今回、「ミクロコスモス」に取り組もうとしたきっかけは、早い段階から機能的和声(バイエルやツェルニーなど)以外の響きにも慣れさせたい、モノフォニー(右手がメロディーで左手が伴奏)だけでなく、ポリフォニー(バッハが代表的)にも慣れて欲しいと思ったからです。
第1巻に36曲、第2巻に30曲、第3巻に30曲収録されており、ここまでが学習者用として作曲され、これはバルトークの息子ピーターのためでもありました。 (『ミクロコスモス』は全6巻、写真はドレミ楽譜出版社から出版されている『バルトーク ミクロコスモス上巻(旧版)』です。)
5指で弾ける、左右同じ音、四分音符という、初心者でも簡単に弾ける曲から始まりますが、3曲目で早速、「ドリアンモード」で書かれた曲が出てきます。
ドリアンモード・・・長調でも、短調でもない響きの曲、教会旋法の一つ
一般的に初心者が学習する曲は長調か短調ばかりですが、ゲーム音楽や現代のポップスなどでは広く長調、短調以外の響きのメロディーなどが使われています。
「世にも奇妙な物語」のメロディーを思い出してみてください。あの不思議な響き、ドリアンモードです! ミクロコスモスの10番で用いられている音形を弾いた時は、ビビりました😳😳😳
走り書きですが、ご参考までにミクロコスモスの該当箇所貼りますね。
こんな感じで、各曲で何調や何モードが使われているのか確認する時におすすめなのが、こちら!
- 作者:樹原 涼子
- 発売日: 2016/07/25
- メディア: 楽譜
この楽譜、各調の音階とモードの音階が全て書かれてるんです!ホント便利。
なので、以下のサイトなどで各曲の調性を調べたら、この本で音階を確認して弾いてみます。
こうすることで、単に「不思議な響き」ではなく音楽的にどうして不思議に聞こえるのか、どんな音が使われているのか深く知ることができ、モードの名前も覚えられて一石二鳥。
『ミクロコスモス』に取り組む際のご参考になると嬉しいです。
バルトーク・ミクロコスモス 上 (1~3巻) (ドレミ・クラヴィア・アルバム)
- 発売日: 2017/05/30
- メディア: 楽譜